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🔵映画「幸せはパリで」〜たまには一息ついて映画でもいかがでしょう〜(1969アメリカ)感想&レビュー4.1点

幸せはパリで [DVD]

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【夢見る大人のためのお伽噺】

50年代のアイコンがオードリー・ヘップバーンなら、60年代のアイコンはカトリーヌ・ドヌーヴ。『ローマの休日』のヘプバーンと『シェルブールの雨傘』のドヌーヴの眩いばかりの美しさは、映画遺産級と言っても過言ではないと思います。

この映画のドヌーヴもまた、“女神降臨”といった感じで、観る者にひとときの夢を見させてくれます。ただ、残念なのは、彼女が英語を使っていること。ハリウッド映画だから致し方ないとはいえ、エレガントな彼女に相応しいのはやっぱりフランス語だと思います。

【あらすじ・感想・レビュー】

ウォール街の金融企業の事業部長に昇進したばかりのビジネスマン、ハワード・ブルーベーカー(ジャック・レモン) は、社長が自宅で主催した豪華なパーティに招待され、社長の美しい妻、カトリーヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)と出会う。互いに愛のない結婚生活を送っていた2人はたちまち意気投合、パーティを抜け出し、楽しい一夜を過ごす。やがて別れの朝が来て互いに惹かれ合っていることに気付いた2人は、パリへ逃げ出そうと決心し、互いの配偶者に別れを告げるため一旦帰宅するのだが……はたして2人の逃避行は叶うのか、というストーリー。

冷静に考えれば、今流行りのW不倫の物語なのですが、そんな後ろ暗く、いかがわしいイメージとは全く無縁の、陽気で楽天的なロマンチック・コメディです。この能天気なまでのおおらかさはさすが往年のハリウッドという感じがしますが、それも天性のコメディアン、ジャック・レモンの起用あってのものだと思います。いくら家庭に尽くしても妻子から全く相手にされない中年男ブルーベーカーの間の抜けようが可笑しいやら切ないやらで、同性としては、いたく共感してしまいます。そして、カトリーヌ・ドヌーヴの問答無用の美しさ。確かにブルーベーカーが全てを投げ出す気になるのも分かるよね、という説得力があります。異性としては、ただただ眼福です。

……小さい頃、醜い蛙がお姫様のキスで王子様に生まれ変わるという劇に出たとき、お姫様役の女の子が蛙役の自分にキスするのが嫌で逃げ出してしまった……というトラウマを告白したブルーベーカーにカトリーヌがそっとキスして“あなたは王子様よ”と囁きます。これぞロマコメの極致、大人のお伽噺です(羨まし過ぎて、“気色の悪い蛙にキスするお姫様なんておるんかい!”とツッコミたくなりますが)。

この映画、シャルル・ボワイエも出ています。“人生で不愉快なことは全て昼起きることに気がついた”なんてのたまう、シャレた爺様です。やっぱり若いときカッコいい人は、年をとってもカッコいいんですね(逆もまた真なり……世の中不公平です)。

この映画の独特の間延び感やゆったりしたおおらかな雰囲気は、慌ただしすぎる今の時代、なかなか貴重かと思います。たまには一息ついてまったりしたいというときにオススメの映画です。