お気楽CINEMA&BOOK天国♪

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金はないけど暇はあるお気楽年金生活者による映画と本の紹介ブログ

🔵永遠のこどもたち/(2007スペイン,メキシコ)4.0点

永遠のこどもたち [DVD]

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情熱の国というイメージでありながら意外とシリアスな映画が多いスペイン。本作も美しい街並みなど無縁で、海辺に古い洋館がポツンと建っているだけ。しかもこれがホラーだったなんて……。

【あらすじ】

孤児院で育ったラウラは、障害を抱えた子供たちの施設とするためにその孤児院を買い取リ、医師の夫と7歳の養子シモンとともに移り住む。やがて、空想癖のあるシモンは度々奇行を繰り返すようになり、ある日忽然と姿を消してしまう。ラウラが必死の捜索を続ける中、彼らの屋敷(元孤児院)では、次々と不思議な出来事が起こるようになり、次第にシモンの失踪の謎が明らかになっていく……。 

【感想・レビュー】

現在と過去、現世と霊界の結界のような屋敷で起こる白日夢のような出来事。それはラウラの孤児時代の記憶の産物なのか、シモンの空想が創り出した迷宮の世界なのか、それとも過去の怨念が引き起こす超常現象なのか……途中、時間や構図が複雑に絡み合って混乱してしまうが、終盤になれば何となく意味が分かってくる。しかしこの映画、とにかく「音」や「声」が怖い。夜中に屋敷に響く足音、突然閉まる扉の音、小部屋から聞こえる子供の声などがやたらと不気味。ただ、要所要所で入る大きな効果音は、わざとらしくていただけないが……。

唯一の救いは、ラストシーン。シモンを抱きかかえるラウラの姿は、母親の無限の愛を感じさせて、神々しく、美しい。また、かつての仲間たちと触れ合うその姿も、不浄の魂が昇華されるような清らかさと安らぎに満ちていて、癒される。まさに本作のテーマを象徴する名シーンだと思う。

霊を扱ったオカルト映画を否定する人は結構多いと思うが、こんな映画もあっていい。たまには人の心が生み出す奇跡を信じてみたいし、実際、たかだか400年程度の歴史しか持たない科学で人の心の不思議を捉えることなどできはしないのだから。

恐怖と愛に満ちた、ちょっと風変わりなファンタジック・ホラー。