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🔴殺人犯はそこにいる/清水潔(新潮文庫)4.2点

殺人犯はそこにいる (新潮文庫 し 53-2)

殺人犯はそこにいる (新潮文庫 し 53-2) - (画像元:Amazon.co.jp)

 

これが話題の文庫X!
まさに「ペンは剣よりも強し」を地でいく迫真のルポ。

【感想・レビュー】

北関東連続幼女誘拐殺人事件という重いテーマを扱って時々息苦しくなるが、捜査機関の闇にぐいぐい迫っていくジャーナリスト、清水潔の執念が圧倒的。

 

清水を突き動かしているのは「素朴な正義感」というやつだろう。

その至ってシンプルな信念は司法や報道に携わる者なら備えていて当然のマインドだと思うが、はたして現実はどうだろうか。

 

組織の内側にいる人間はそうしたマインドを忘れ、ひたすら面倒を避け、いざ事が起これば自己保身と組織防衛に汲々としている、というのが実態ではなかろうか。

清水は、丹念な現場取材で得られた事実を武器にしてそうした権力の傲りや怠慢を断罪し、犯罪被害者の無念を晴らそうと奔走する。

その信念に心を動かされない者はいないだろう。腐敗した日本の「マスゴミ」の中にもこんなサムライがいたなんて……。

 

権力やジャーナリズムの在り方を問い直し、真のヒューマニズムとは何かを示した労作。

さわや書店の長江氏が必死の売り込みをかけた気持ちがよく分かる。ありきたりの物語に飽々している人にオススメの一冊。