お気楽CINEMA&BOOK天国♪

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金はないけど暇はあるお気楽年金生活者による映画と本の紹介ブログ

BOOK(現代小説)

🔴ピンザの島/ドリアン助川(ポプラ文庫)3.9点

([と]1-3)ピンザの島 (ポプラ文庫) 【出口のない若者の究極の選択】 生きることの意味を真摯に問い続ける作家、ドリアン助川の力作長編。 ピンザとは沖縄の宮古島でいうヤギのこと。南の島の美しくも厳しい自然の中で育まれる主人公とピンザとの温かい交流が…

🔴春、戻る/瀬尾まいこ(集英社文庫)3.8点

春、戻る (集英社文庫) 【相変わらず、ほっこり】 瀬尾まいこの作品は、いつもギスギスした気分を和らげてくれる。 けっこうシビアな状況も描いているのだが、どこかおっとりとした雰囲気があって、トゲトゲしさを感じない。 “文は人なり”……作者の優しい人柄…

🔴十八の夏/光原百合(双葉文庫)4.1点

十八の夏 新装版 (双葉文庫) 【けっこう好きなタイプの小説】 花(『朝顔』『金木犀』『ヘリオトロープ』『夾竹桃』)をモチーフにした4短編を収録した作品集。 書店のコーナーでは“10代にオススメ”と紹介されていたが、もう少し上の世代向きだろう。 装丁…

🔴武曲/藤沢周(文春文庫)4.0点

武曲 (文春文庫) 【武道の真髄に触れる剣豪小説】 剣道に魅入られた男たちの成長と再生を描く現代版剣豪小説。圧倒的筆力で描かれる立ち合いシーンが圧巻。 【あらすじ】 剣道に挫折した矢田部研吾は、アルコール依存で失職し、今は、警備員をしながら高校剣…

🔴55歳からのハローライフ/村上龍(幻冬舎文庫)3.9点

55歳からのハローライフ (幻冬舎文庫) 【男は過去に囚われ、女は今を生きる】 格差社会のシビアな現実の中で、人生の再出発を果たそうとする中高年の苦闘を描いた中編5作を収録した作品集。 【感想・レビュー】 孤独、貧困、夫婦の不和、体力の衰え、老いら…

🔴ふるさと銀河線 軌道春秋/髙田郁(双葉文庫)4.0点

ふるさと銀河線 軌道春秋 (双葉文庫) 【今を生きる人々への優しいエール】 今を懸命に生きる人々の日々の哀歓を、鉄道をモチーフにして綴った9篇の短編集。 どの作品も、ささやかで、奥ゆかしく、切なくて、温かい。結構、好みのテイストではある。 【あら…

🔴スウィート・ヒアフター/よしもとばなな(幻冬舎文庫)4.0点

スウィート・ヒアアフター (幻冬舎文庫) 【作家の良心を感じる物語】 一人の若い女性の喪失と再生の物語。 作者の全肯定の態度が、読む者に静かな安らぎをもたらす良心的一作。 【あらすじ 交通事故で瀕死の重症を負った小夜子は、何とか一命をとりとめるが…

🔴終電の神様/阿川大樹(実業之日本社文庫)4.2点

終電の神様 (実業之日本社文庫) 【作品紹介〜電車にまつわる謎と奇跡の物語】 満員電車で痴漢に遭う女装の男(『化粧ポーチ』)。納期に追われる中、有給を命じられたIT企業戦士(『ブレークポイント』)。筋肉バカの競輪選手とのすれ違いの恋に悩むキャリア…

🔴ファースト・エンジン/未須本有生(集英社文庫)4.0点

ファースト・エンジン (集英社文庫) 【ものづくりの誇り】 戦闘機の新型エンジン開発に賭ける技術者たちの苦闘を描いた、松本清張賞受賞作家による“ものづくり小説”。 【あらすじ】 エンジンメーカーで戦闘機に搭載する超音速エンジンを開発するプロジェクト…

🔴デフ・ヴォイス/丸山正樹(文春文庫)4.5点

デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士 (文春文庫) これは久々の掘り出し物!(巷ではかなり反響を呼んだらしいが、全く知らなかった)。「心が震える」という言葉がピッタリの感動作。こんな良心的な作品が本屋大賞などにノミネートされると本当に嬉しいのだが………

🔴こっちへお入り/平安寿子(祥伝社文庫)4.1点

こっちへお入り (祥伝社文庫) この小説には勢いがある。モチーフが「落語」なだけに、文章の歯切れが良くて、話のテンポもいい。励まされ、元気が出る上、落語にまつわる様々な薀蓄も楽しめて、何だか得した気分の一冊。 【あらすじ】 本作は、彼女33歳独身O…

🔴コーヒーが冷めないうちに/川口俊和(サンマーク出版)4.2点

コーヒーが冷めないうちに 地下の狭い喫茶店、少数の登場人物、カウベルや柱時計などのごく簡素なセット(この物語は、時間移動だけで空間移動はない)……なるほど、いかにも舞台劇の演出家らしい(物語)設計だと思う。 【登場人物】 登場人物は、恋人に別れ…

🔴桜風堂ものがたり/村山早紀(PHP)4.4点

桜風堂ものがたり 物語が終わってしまうのが名残惜しくて、残りのページ数を気にしながら本を読んだのは、いつ以来だろうか。これは人を幸せな気持ちにしてくれる本。もし自分が書店員だったら、きっと、POPを作って店の一番目立つ所に並べていることだろう…

🔴彼が通る不思議なコースを私も/白石一文(集英社文庫)4.0点

彼が通る不思議なコースを私も (集英社文庫) 第一感は、清潔感のある、とても感じがいい作品という印象。生と死、仕事と家庭、恋愛と友情など、身近でありふれた問題を、生真面目に描いているところに好感が持てる。 【ストーリー】 本作は、不思議な運命で…

🔴盤上の夜/宮内悠介(創元SF文庫)4.4点

盤上の夜 (創元SF文庫) 宮内悠介の作品は初めて読んだが、正直、驚いた。テーマの壮大さといい、散文と詩が一体化したような文章といい、卓抜なストーリーテイリングといい、ただただお見事と言う他ない。新たな才能に出くわした時の新鮮な驚きと喜びを感じ…

🔴週末カミング/柴崎友香(角川文庫)4.2点

週末カミング (角川文庫) ごく普通の人々の日常を描き続ける作家、柴崎友香の、「週末」をテーマにした短編8篇を収録した作品集。 【作家について】 この作家もまた魅力的。劇的な出来事などなくても、少し視点を変えれば、日常は驚きと慈しみに満ちている…

🔴月の上の観覧車/荻原浩(新潮文庫)3.5点

月の上の観覧車 (新潮文庫) 昨年直木賞作家となった荻原浩の短編8篇を収録した作品集。 【感想・レビュー】 多くの作品が中高年の喪失感を扱って同世代の人間にとっては見につまされる切なさがある。ただ、余りにも感傷的で、やりきれない気分にもさせられ…

🔴感傷コンパス/多島斗志之(角川文庫)4.0点

感傷コンパス (角川文庫) 「教師と生徒たちのふれあいを描いたドラマ」というふれこみに弱い。特に小学校低学年モノには滅法弱い。読書の原体験が「二十四の瞳」だったからだろうか。それとも映画「あの子を探して」や「すれ違いのダイアリーズ」の影響か。……

🔴最後の医者は桜を見上げて君を想う/二宮敦人(TO文庫)4.4点

最後の医者は桜を見上げて君を想う (TO文庫) 書店員のPOPに惹かれて購入。読んでみたら、これが久々の夜更かし本。書かずにはいられないという作者の熱い想いがズシンと胸に響く渾身の力作。 【あらすじ】 地域の基幹病院の副院長福原と勤務医の桐子と音山。…

🔴海の子/ドリアン助川(ポプラ文庫)4.1点

海の子 (ポプラ文庫) ドリアン助川は、好みの作家。イチオシ作品は、多摩川沿いの住人の日々の哀歓を綴った「多摩川物語」。切々とした余韻が心に沁みる素晴らしい作品だった。 【ストーリー】 本作は、日々の生活に疲れ切った人々が「船釣り」をきっかけに…