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お気楽CINEMA&BOOK天国♪

金はないけど暇はあるお気楽年金生活者による映画と本の紹介ブログ(ネタバレなし)

🔵若さは向こう見ず/(2013インド)3.9点

若さは向こう見ず (Yeh Jawaani Hai Deewani)

若さは向こう見ず (Yeh Jawaani Hai Deewani)

【女神、降臨!】

久し振りのインド映画で、ちょっと嬉しい。

インド映画の魅力は、何でもアリのエンタメ性、華麗なダンス、キレイな女優だろうか。

とにかくインド女優はキレイ。中でもイチオシは、カトリーナ・カイフ(『命ある限り』、『チェイス!』)とディーピカー・パートゥコーン(『恋する輪廻』、『チェンナイ・エキスプレス』)。

で、今回の主演は、麗しのディーピカー様。

【あらすじ】

内気な医学生ネイナー(ディーピカー・パートゥコーン)は、自由に生きる友人アーディティーと偶然再会し、自分の勉強漬けの日々に疑問を抱く。そして、アーディティーの誘いに応じ、元同級生のカビール(ランビール・カブール)とアヴィらとともに男女4人でヒマラヤ旅行へ出かけることなる。

ネイナーは、ヤンチャなカビールに惹かれていくが、彼が夢を叶えるためアメリカ行きを計画していることを知り、告白しないまま彼を励ます。

そして8年後、ネイナーとカビールは、アーディティーの結婚式で再会する……。

【感想・レビュー】

ボリウッドお得意の長編青春映画。とにかく長くて(161分)、途中何度かヘタれる。観ていてそれなりに面白いのだが、あっさりまとまっている感じがして、物足りない気がしないでもない。ヒマラヤやパリのロケシーンでオシャレ感を演出した分、ボリウッド特有のゴチャゴチャした熱気や訳の分からない高揚感が薄くなってしまったのだろうか……。もっとも、インド映画のバタ臭さが苦手という人には逆にオススメかもしれないが。

しかし少々ヘタれても、ダンスシーンとディーピカー様がアップで映るシーンでは、眼がシャキ。

ノリノリの歌&ダンスシーンはさすがボリウッド。主演男優のランビール・カブールは、『バルフィ!人生に唱えば』のオフザケ感が好きになれず、あまりいいイメージがなかったのだが、キレキレのダンスは大したもの。芸達者な俳優なんだ、とちょっと見直す。

ディーピカー様の美しさは相変わらず。彼女のエキゾチックな顔立ちは原色のカラフルな映像に本当によく映える。もちろん、八頭身の踊りも絢爛豪華で申し分なし。やっぱりインド映画の歌&ダンスシーンはクセになる。

次のインド映画は『PK(ピーケイ)』(4月28日?Blue-ray発売)。もちろん目当ては、若手女優アヌシュカー・シャルマーです。

🔵ハートビート/(2016アメリカ, ルーマニア)4.2点

ハートビート [DVD]

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【弾けるビート!高鳴る鼓動!】

ダンスと音楽に賭ける若者たちの夢への挑戦を描く青春エンターテイメント。

【あらすじ】

若者の夢と才能が集う街ニューヨーク。ある日、バレエダンサーを夢見るルビーとイギリス人ヴァイオリニストのジョニーは、地下鉄で出会い、惹かれ合うようになる。

だが、その後、ルビーはバレエ学校で奨学金打ち切りの危機に直面し、ジョニーは祖父の形見のヴァイオリンを盗まれたあげく不法滞在で強制送還の危機に晒されはる。

ドンづまりの2人は、それぞれの夢を叶えるため、仲間のヒップホップチームを誘って“弦楽器&ダンスコンクール”に出場することになるが……。

【感想・レビュー】

ストーリーは平板ながら、ホンモノの才能を肌で実感できる音楽とダンスのコラボが文句なしに素晴らしい。

優雅なクラシックバレエ・キレキレのヒップホップ・変幻自在のヴァイオリンの見事な融合が生み出す躍動感に終始圧倒され、魅了される。

劇中のダンスパフォーマンスは全て見どころと言ってよいが(ほとんど鳥肌モノ!)、個人的には、パブで踊る美女3人組のアイリィッシュダンスが好み。リズミカルで力強い動きの中に凛とした気品が漲って何とも美しく、何度も巻き戻し観て、その度に見惚れてしまう。

主演の2人も美男美女で言うことなし(しかも才能に溢れている!)。また、共演の日系人女優ソノヤ・ミズノの奔放で小悪魔的な魅力も忘れがたい。

才能ある若者たちの芸術的パフォーマンスに見惚れつつ、改めてアメリカの音楽界、ショービジネス界の層の厚さを実感した一作。

🔴マーチ博士の四人の息子/ブリジット・オベール(ハヤカワ文庫)4.0点

マーチ博士の四人の息子 (ハヤカワ文庫HM)

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【酔っ払いメイドVSサイコキラー】

裕福なマーチ博士一家の住み込みメイド、ジニーと、一家に潜む謎の快楽殺人鬼との息詰まる攻防戦を描いたフランス人女性作家によるホラー系ミステリー。

 【あらすじ】

マーチ家に住み込みで雇われたメイド、ジニーは、ある日偶然『殺人者の日記』を発見する。

日記には、殺人者のこれまでの殺人の記録、抑えきれない殺人衝動、これからの殺人予告などが書かれていた。そして、自分が4人の息子の1人であるということも。

殺人者の正体は誰なのか?ジニーは、持ち前の正義感から犯人探しに乗り出すが……。

 【感想・レビュー】

物語は快楽殺人鬼の『殺人者の日記』とメイドの『ジニーの日記』の往復書簡形式で進行する。

それぞれの日記中に全てのヒントを散りばめながらも、巧みに犯人をカムフラージュして、最後まで読者を飽きさせないところは流石で、作者のアイデアとテクニックの勝利と言うべきだろう(トリッキーな結末については賛否が分かれるかもしれないが、息子たちが四ツ子という設定の奇抜さやメイドと犯人の日記上での応酬の面白さに、この作家の非凡な才能が窺える)。

また、『前科持ちで逃亡中の身でありながら善良で勇敢、酒好きが欠点の31歳独身女性』というメイドのキャラも光っている。

ただ一方で、メイド以外の登場人物の印象が薄く、物語としての陰影が乏しい点が惜しまれる。快楽殺人鬼の人物造形に「羊たちの沈黙」のレクター博士ほどの凄みがあれば更に印象深い作品になったような気がするのだが……欲張りすぎだろうか。

【心に残る青春映画】10作品紹介・レビュー

今回は、青春映画のお気に入りを10本紹介します。

 

こう並べてみると、「大切な何かを失いながら少しずつ大人になっていく」という「喪失感」を描いた作品が好みのようです。

 

この外、古いものでは、「青春群像」、「ビッグ・ウェンズデー」、「ラスト・ショー」、「ジェレミー」など、最近のものでは、「プールサイド・デイズ」、「サニー〜永遠の仲間たち」、「若葉のころ」なども好きです。

 

どこかに似たような好みの方がおられたら嬉しいのですが……。

 【心に残る青春映画】10作品紹介・レビュー

№10

🔵子猫をお願い(2001韓国) 

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《等身大女子の甘くない青春》

高校を卒業し、別々の道を歩き出した仲良し5人組のその後の葛藤や挫折、新たな出発を描いた群像劇。 

女性監督ならではの瑞々しい視点で、女子同士の甘くない友情やそれぞれの微妙な距離感をヴィヴィッドに描く。

独特の閉塞感が漂う中、5人組のまとめ役のペ・ドゥナの透明感が印象的。

 

№9

🔵プラハ!(2001チェコスロバキア)

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《カラフル!ポップ!キュート!》

60年代の“プラハの春”からソ連によるチェコ侵攻までのプラハを舞台に、恋に憧れる女子高生たちとアメリカ亡命を夢見る脱走兵たちとの恋の行方を描いた青春ミュージカル。

カラフルなレトロ・ファッションとポップな音楽が魅力のキュートな映画だが、歴史が動き出す後半は結構シリアスで考えさせられる。

自由を謳歌した60年代への郷愁を籠めた作品。

 

 

№8

🔵欲望の翼/(1990香港)

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《屈折した想い》

幼い頃に母親と生き別れ、心の空白を埋められないプレイボーイの青年と、彼を取り巻く男女の愛憎を描いた群像劇。

退廃的で刹那的な空気感、気取り澄ました語り口、斬新でスタイリッシュな映像。これがウォン・カーウァイの世界観。

青年のひりひりした心の渇きから生まれる傲慢で放埒な衝動は、若さにつきまとう“危うさ”そのもの。

 

 

№7

🔵きっと忘れない/(1994アメリカ)

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《金言・名言の宝庫》

バーバードの優等生と自由奔放なホームレスとの心の交流を描く。 

人生への深い洞察に満ちたホームレスの言葉と、ハーバードの仲間たちの熱い友情が心に沁みる。

好きな女を誘えない優等生をホームレスが叱咤する……『羽ばたけ。自由に愛せ。破滅を恐れず……人生の1時間の充足を味わえ……女を失望させる男は負け犬より悪い』。そのとおりです!

 

 

№6

🔵シング・ストリート/(2016アイルランド)

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《音楽が奏でる青春》

1985年当時の大不況下のダブリンを舞台に、純な若者の音楽にかける情熱や年上の女性への憧れを爽やかに描く。

若者のひたむきさや無鉄砲さがときにユーモラスに、ときにほろ苦く描かれて、笑えるし、泣ける。彼らの宝物のような日々を鮮やかに彩る80年代のUKロックのサウンドも観る者の気分を高揚させる。

監督の音楽センスに脱帽の一作。

 

 

№5

🔵小さな恋のメロディ/(1971イギリス)

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《子どもたちのレジスタンス》

若い頃、リアルタイムで観た映画。大人の世界への漠然とした反抗心を刺激されたのだろうか、トロッコの行き着く先も考えず、ただ気分が昂ぶったことを思い出す。

少年少女の淡い恋を描いたこの映画、実は、理不尽な大人に対する子どもたちのレジスタンスが肝なのかもしれない。

それにしても、トレーシー・ハイドの愛らしさは、いつまでたっても色褪せない。

 

 

№4

🔵冒険者たち/(1967フランス)

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《青春のレクイエム》

夢を追いかける男2人と女1人の愛と友情を描く。

パリの大空、海に眠る財宝、要塞島。ロマン溢れるシチュエーションに憧れ、男女3人の固い絆に胸を熱くする。ジョアンナ・シムカスの儚く物憂げな魅力は、一瞬の煌きを放って永遠に観る者の胸に刻まれる。

ラストのリノ・ベンチュラの慟哭は、さながら青春との訣別を悼むレクイエムのようだ。

 

 

№3

🔵スタンド・バイ・ミー/(1986アメリカ)

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《大人になるということ》

仲良し4人組の少年たちの2日間の冒険の旅を描く。B.E.キングの歌とともに、これはもう殿堂入りの映画だろう。

彼らは死体を見たことで一回り成長する。しかし同時に何か大切なものを喪う。たぶん“何かを得る度に何かを喪う”そのプロセスが“大人になる”ということなのだろう。

誰の記憶にもあるその喪失感がこの映画を永遠のものにしている。

 

 

№2

🔵恋恋風塵/(1987台湾)

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《文学の香気漂う名作》

鉱山のある山村で育った幼馴染の一組の男女の淡い恋と別れを描く。

昭和の原風景を彷彿とさせるノスタルジックな世界観が切なくも懐かしい。青年の不器用な想いと移ろいゆく少女の想い……時の流れが二人の仲を変えてゆく。しかし、青年の傷心もやがて時の流れが癒してくれるのだろう。

初恋の痛みを静謐な眼差しで捉えた、青春映画の傑作。

 

 

№1

🔵きっと、うまくいく/(2009インド)

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《青春映画の金字塔》

コメントは前稿の【心に残る珠玉の映画】№5を参照してください。

単純に“一番好き”と言える青春映画です。

【心に残る珠玉の映画】20作品紹介・レビュー

ようやく春到来ですね。春と言えば、桜。

『願わくは/花のもとにて/春死なむ/その如月の/望月のころ』(西行)

なんて口ずさみながら、一人花見を愉しんでいます。

 

さて、今回は、これまでに観た映画の中から、忘れられない作品、思い入れのある作品を20本選んで簡単に紹介します(趣味の押し売りをするつもりは毛頭ありません。退屈しのぎにでもなれば幸いです)。

 

単純に“好き嫌い”で選んでいますので、有名どころの作品がボロボロ抜けています。あしからずご了承を。

 

 心に残る珠玉の映画20作品紹介・レビュー

№20

🔵続・夕陽のガンマン/(1966イタリア)

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《善玉・悪玉・卑劣漢》

隠された20万ドルを巡る3人の男たちの虚虚実実の駆け引きを描く。

徹底的に“面白さ”だけを追求した娯楽作品。その割切りが、潔くていい。

クリント・イーストウッドが最高にクール。ラストの三つ巴の死闘は、全身の血が逆流して、アドレナリン全開!

満足感で、もう何も言うことはありません。

 

 

№19

🔵我が道を往く/(1944アメリカ)

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《さりげない思いやり》

教会再建のために派遣された若くて進歩的な神父が、歌の力で周囲の人たちを変えていく様を描いた、善意と良心のドラマ。

若い神父の誠実で思いやりのある人柄とスマートな立ち居振舞いがこの作品に独特の品格をもたらしている。

頑固だが、オチャメで人間味溢れる老神父がまた、たまらなく可愛らしい。

 

 

№18

🔵バベットの晩餐会/(1987デンマーク)

バベットの晩餐会 HDニューマスター [DVD]

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《頑なな心を解きほぐす至高の料理》

19世紀のデンマークの寒村を舞台に、敬虔なプロテスタントの老姉妹と国を追われた元シェフのメイドの絆を描く。

堅苦しい教義に縛られた晩餐会の出席者たちが、メイドの料理の力で次第に心を解放していく。

料理を通して、人生の幸福とは何かを深く追求した逸品。

 

 

№17

🔵スモーク/(1995アメリカ,日本,ドイツ)

スモーク(字幕版)

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《人生はほろ苦いブルース》

ブルックリンの小さな煙草屋に集う男女が織りなす、渋くて、粋で、ほろ苦く、温かい群像劇。

虚と実を巧みに織り交ぜながら人生の真実を語る脚本、演出の妙は、見事の一言。

人肌の温もりに触れて、人生も捨てたもんじゃない、と思わせてくれる、滋味溢れる一作。

 

 

№16

🔵山の郵便(1999中国)

山の郵便配達 [DVD]

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息子が見つめる父の背中

辺鄙な山岳地方の郵便配達人父子の物語。

老いた父の最後の配達に同行した息子は、あちこちの村で父の人生の足跡に触れ、父への理解を深めていく。

父を越えようとする息子と息子の成長を誇らしく思う父。息子が父を背負って川を渡るシーンにそれぞれの想いが収斂されて、静かで深い感動を呼ぶ。

 

 

№15

🔵冬冬の夏休み/(1984台湾)

冬冬の夏休み -デジタルリマスター版- [Blu-ray]

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《少年の日のスケッチ》

田舎の祖父母の元に預けられた都会育ちの幼い兄妹の一夏の体験を描く。

日常のささいな出来事を通して新しい世界に触れていく少年少女の瑞々しく伸びやかな心。失われた日々への郷愁が胸を突いて、鑑賞後はしばらく動けない。

「心の琴線に触れる」という言葉がピッタリの至福の映画。

 

 

№14

🔵遠い空の向こうに/(1999アメリカ)

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宇宙少年のアメリカン・ドリーム

ロケット作りを夢見る宇宙少年の成長の物語。

夢を見ること、夢を追いかけることの大切さを描く。少年と炭鉱夫の父親の葛藤と和解、少年を信じ、支え、見守る先生の師弟愛が、温かい涙を誘う。

アメリカという国の懐の深さをしみじみと痛感する一作。

 

 

№13

🔵第三の男/(1949イギリス)

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光と影が織りなす芳醇なドラマ

戦後の傷跡が痛々しく残るウィーンを舞台に、追う者と追われる者を描くサスペンスドラマ。 

光と影の映像美とオーソン・ウェルズの存在感がハンパない。そして、あまりにも有名なラストの長回しのショット。枯葉散る並木道、歩いてくる女、道端に佇む男、交差する男と女……。

何もかもが完璧。参りました。

 

 

№12

🔵ショーシャンクの空に/(1994アメリカ)

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不屈の精神と人間の尊厳

無実の罪で投獄された男の執念の脱獄劇。

巨悪とひ弱な正義との闘いを通して、人間の尊厳を描く。ややもすると安易に流れがちなテーマを重厚で崇高な人間ドラマまで高めた脚本、演出、映像の冴えに感服する。

ラストシーンは、映画史に残るカタルシス。

 

 

№11

🔵誓いの休暇/(1959ソ連)

誓いの休暇【デジタル完全復元盤】 [DVD]

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もし戦争がなかったら……

心優しき少年兵の6日間の休暇中の出来事を通して、戦争の不条理を訴えた反戦映画。

軍用列車で知り合った美しい少女との淡い恋、母との束の間の再会と別れ……平和な時代であれば、幸せな暮らしが送れたであろう人々の哀切が胸に沁みる。

映画の出来も凄いが、あの時代のソ連でこんな映画を作った監督の気骨もまた、凄い。

 

 

№10

🔵踊れトスカーナ!/(1996イタリア)

踊れトスカーナ! [DVD]

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人生はブラーヴォ!

イタリアンテイスト溢れる陽気なラブコメディ。

トスカーナの田舎町を舞台に、平凡な会計士の青年と美しいフラメンコダンサーの恋の行方と、周囲のおかしな面々が巻き起こす珍騒動を描く。

絶妙のギャグに笑い転げ、華麗なフラメンコダンスに心ときめき、一面黄色のヒマワリ畑に眼を奪われる。イタリアへの憧れが募る一作。

 

 

№9 

🔵街の灯/(1931アメリカ)

街の灯 コレクターズ・エディション [DVD]

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チャップリンは我が人生の師

盲目の花売り娘に捧げる浮浪者の純情をユーモアとペーソスで描く。

抱腹絶倒のボクシングシーンを始め、この映画はチャップリン芸術の集大成とも言える作品。なにより貧しき者への愛に溢れている。

価値観がカネやモノに一元化する中で、それ以上に大切なものがあることを教えてくれる一作。 

 

 

№8

🔵世界最速のインディアン/(2005ニュージーランド,アメリカ)

スマイルBEST 世界最速のインディアン [DVD]

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《男の生き方のバイブル》

バイクの世界最速記録を目指すニュージーランドのじいさんの挑戦を描いたトゥルーストーリー。

『ハートは17歳』……いつまでも少年の心を失わず、夢を追いかけるじいさんの勇姿にシビレまくる。

男たるもの、かくあるべし。これはもう、男のバイブルです。

 

 

№7

🔵ローマの休日/(1953アメリカ) 

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永遠不滅のラブストーリー

世界中を虜にしたオードリー・ヘップバーンの出世作。古都ローマを舞台に、小国の王女とアメリカの新聞記者の淡い恋を描く。

トキメキと切なさのロマンス映画は他にも数多くあるが、これを超える作品はもう現れないのでは。

オードリーの清楚な愛らしさは“妖精”そのもの。

 

 

№6

🔵愛に関する短いフィルム/(1988ポーランド)

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愛の深淵をのぞく

向かいのアパートに住む女を、毎晩望遠鏡で覗く青年。そこには純粋な愛があるだけで、青年は女に何も求めない……。

愛や孤独といったとらえどころない感情の正体を見事に可視化したポーランド映画の傑作。

優れた短編小説を読んでいるかのよう。深いです。

 

 

№5

🔵きっと、うまくいく/(2009インド)

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マサラムービー、恐るべし!

恋と友情、笑いと涙。映画の魅力をすべて詰め込んだ怒濤の170分。

若さゆえのシンプルなメッセージがストレートに胸を打つ。映画の王道はやっぱりエンタメです。観賞後は勇気凛々、元気百倍。

萎びた心に即効で効くユンケル的一作。

 

 

№4

🔵アルジェの戦い/(1966イタリア) 

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魂を揺さぶる迫真のドラマ

アルジェリア独立戦争をドキュメンタリータッチで描いた戦争映画の傑作。

記録映画さながらのクールなカメラワークが戦争のむごさを冷徹に写し取っていく。数万人のエキストラによるラストシーンは、ただただ凄いの一言。

安っぽい感動を超越した魂のドラマ。

 

 

№3

🔵ニュー・シネマ・パラダイス/(1989イタリア)

ニュー・シネマ・パラダイス SUPER HI-BIT EDITION [DVD]

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映画の魔法にかかるひととき

溢れるほどの映画愛を詩情豊かな映像とノスタルジックな音楽で見事に表現した名作中の名作。

ラストシーンは、万感の想いが一気に押し寄せて、涙でスクリーンが曇るほど。

視覚でしか味わえない映画的感動がここにある。

 

 

№2

🔵ラヴソング/(1996香港)

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《運命に導かれる恋》

胸に迫る想いを表情だけで語るマギー・チャンの演技が秀逸。

マンハッタンでの運命の再会シーン、全編をエモーショナルに彩るテレサ・テンの歌声も、完璧。

10年に及ぶ男女のピュアな恋に酔いしれる、恋愛映画の金字塔。

 

 

№1

🔵エル・スール/(1983スペイン)

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《1カット1カットが一幅の絵

父の人生の秘密に触れ、戸惑い、ときめく娘の心情を静謐なカメラワークで捉えた至高のドラマ。

陰影に富んだ映像と必要最少限の台詞が観客の想像力を否応なしに喚起する。

映画が総合芸術であることを世界に知らしめた傑作。 

🔵娼婦ベロニカ/(1998アメリカ)4.2点

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舞台は16世紀のベネチア。女が男の所有物であった時代に、自分の生き方を貫いた一人の女性の数奇な半生を描いた実話に基づく物語(モデルとなったベロニカ・フランコはベネチアの詩人。娼婦)。

【あらすじ】

16世紀と言えば、日本は戦国時代。当時の日本も、政略結婚が当たり前だったことを考えると、西欧も日本も(女性の地位という点では)たいした違いはなかったようだ。今の時代と比べると隔世の感があるが、歴史を長い目で見ると、やはり人間は少しずつ進歩しているのだなあと実感する。

 

【感想・レビュー】

身分の違いから青年貴族マルコとの結婚が叶わなかったベロニカは、母親の教えに従って、高級娼婦となる道を選ぶ。上流階級の男たちの相手を務めるべく、知性と教養を磨いたベロニカは、魅惑的な女性へと変貌し、男たちの寵愛を受ける。一方、ベロニカを諦めきれないマルコは、妻を娶ってもなお、彼女への想いを募らせる。やがて、ベロニカも彼の愛に応えようとするのだが、ちょうどその頃、ベネチアは戦争に巻き込まれ、フランスに援助を求める。フランス王アンリ3世から指名を受けたベロニカは、国の運命を背負って王の前に歩み出るが……。

 

タイトルは、そのまんまという感じだが、これはいい映画。恋愛映画の秀作だと思う。女性にとって、愛のない結婚か、修道院に入るか、娼婦になるかの3択しかなかった封建時代に、自由を求め、恋に生きた女性の気高い姿は、今を生きる若い女性たちにも力を与えてくれるのではないかと思う。クライマックスの魔女裁判でのベロニカの命懸けの覚悟は、宗教裁判の愚劣さが明らかになればなるほど一層の輝きを放ち、神々しささえ感じられるほど。覚悟を決めた女性の姿は、いつの世にあっても、凛々しく美しいものだとつくづく思う。

ベロニカを演じたキャサリーン・マッコーマックの美貌と体当たりの演技は見もの。ベロニカのお母さんもえらくキレイだなあと思ったら、なんと70年代のミューズ、ジャクリーン・ビセット!(懐かしい)。マルコの妻役は、大好きなナオミ・ワッツと、今観ると、結構贅沢な女優陣だ。

是非、若い女性に観てほしい映画だが、もちろんオジサンでもOK(たぶん)。

🔴デフ・ヴォイス/丸山正樹(文春文庫)4.5点

デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士 (文春文庫)

デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士 (文春文庫)

これは久々の掘り出し物!(巷ではかなり反響を呼んだらしいが、全く知らなかった)。「心が震える」という言葉がピッタリの感動作。こんな良心的な作品が本屋大賞などにノミネートされると本当に嬉しいのだが……。ちなみに『デフ(Deaf)』とは『ろう者』の意。

本作は、手話通訳士の中年男が、ろう児施設で起きた2つの殺人事件の謎を追ううちに、自分のアイデンティティを取り戻していく様を描いたミステリータッチのヒューマンドラマ。

【 あらすじ】

仕事も家庭も失った中年男荒井尚人は、唯一の特技を活かして手話通訳士となる。同じ頃、ろう児施設の関係者が殺害される事件が発生する。被害者がかつて同じ施設で殺された理事長の息子と知った荒井は、過去の因縁から、2つの事件の関連を調べ始めるが、そこには、あるろう者家族の秘密が隠されていた……。

 

【 感想・レビュー】

初めは、頑なに他人に心を開かない荒井のキャラクターに馴染めなかったのだが、彼が『コーダ(両親ともにろう者である聴こえる子)』であることが明らかになる辺りから、ぐいぐい物語の世界へ引き込まれていく。ミステリー仕立ての物語の面白さもさることながら、ろう者の社会の現状を率直な態度で描いている点がとても潔く、それが読後の清々しい余韻に繋がっているように思われる。マイノリティーの世界をこのように潔く描けるのは、作者の人柄の賜物であろうし(真摯で誠実な人柄が偲ばれる)、そのニュートラルな姿勢、フラットな目線は、人として大切なことを教えてくれているような気がする。

自分とは異なるもの(自分と他者との違い)を理解し、受け容れる……それが対人関係の基本だと思うが、言うは易し行うは難しで、なかなか難しい。それが聴者とろう者の関係であれば尚更のことだろう。本作の場合、コーダである荒井がその架け橋の役割を果たしているが、われわれ一般読者にとっては、本作がその役割を果たしてくれることだろう。

衝撃と感動のラストは必読。『デフ』『コーダ』『日本手話』『日本語対応手話』等々、知識としても得るものが大きい一冊。